ローマン・ゴンザレス vs シーサケット・ソールビンサイ

シーサケットを知らない海外のメディアでは楽勝の空気が流れるが、尽く日本人を粉砕してきたシーサケットの恐ろしさを知っている日本のファンは不安でいっぱい。

並んだ印象は身長は互角、しかし厚みや幅、頭蓋骨の大きさはシーサケットが大きく見える。

ゴンザレスはいつも通りガードを上げて相手の出方を窺う。が、遠い間合いでのパンチの交換でパワーの差を感じる立ち上がり。
シーサケットはいつも通りワンツーで踏み込んで連打を狙う。ゴンザレスが重心を前に移したタイミングで左のアッバーを狙うなど効果的な動きでゴンザレスに思うようにさせない。

初回から試合は動く、シーサケットの右ボディーでダウンを奪われ、ゴンザレスが後退。

2回はシーサケットが圧力をかけて、ワンツーを上と下に打ち分け、相変わらずの奇声とパンチ力でゴンザレスを威圧。手数も出す。
ゴンザレスは下がりながらも隙きを覗い、右をクリーンヒット。手数でも負けていないが、やはり力で押し込まれる。
序盤まではシーサケットが4回戦の試合のようなペースと強打でゴンザレスの技を抑え込み、精確さをパワーで上回っていた。

5ラウンドから疲れ始めたシーサケットにゴンザレスが襲いかかる。しかし残念ながらフライ級までの決定力はない。
頑丈なシーサケットはゴンザレスのボディーパンチに悩まされながらも徹底抗戦、簡単にペースは奪わせない。

終盤戦でもシーサケットは力は無くなったが手数は落とさない、ゴンザレスの前進に相撲で対抗し簡単にペースを奪わせない。
ゴンザレスも勝利への執念を見せ、決死の攻撃を試みるも押し合いの強いシーサケットの組み付き、必死の反撃で攻勢ほどのダメージを与えられないまま最終ゴング。

判定は2-0でシーサケットを支持。

動きの多い、面白い試合で判定とはいえアメリカのファンは大満足じゃなかろうか、日本人選手の多い階級だけに今後海外で活躍する選手が増えるかもしれない。

シーサケットは強めに振ってくる割には脇は締まってるし、ワンツーの踏み込み、連打の回転ら速いし打たれ強いはで厄介極まりない。
デビューから連敗してよくここまでま這い上がって来たなあ。素直に強いと思えるし、井上はクアドラス、ゴンザレスよりシーサケットとやってほしい。
クアドラスは一度やられかけたシーサケットと戦えるか?

今回ゴンザレスはパワーの他にバッティングにも悩まされ、いつものスタイルでボクシングできなかった。シーサケットよりパワーのある
だろう井上とやるのもいいけど、フライ級戻ることも考えないといけないかもしれない。
接近してのコンビネーションやディフェンスは見事で芸術的。少し休んでもっと活躍してほしい。

ローマン・ゴンザレス vs シーサケット・ソールビンサイ

一体誰がこの怪物を止められるのか。ロマゴン対ビロリア

怪物王者に対して強打のビロリアがどこまでやれるか、また体格で勝る挑戦者のビロリアに対しロマゴンがどんな戦いか方をするのかに注目した試合だったが、蓋を開ければロマゴンの圧勝だった。

初回は始まるや否や、ビロリアが先制攻撃に成功、ロープまで追い詰め連打をまとめ会場を盛り上げる。

2回もビロリアのペースは変わらず、先制攻撃を仕掛ける。しかし慎重に捌いていた王者が反撃に出始める。
ラウンド終盤には圧力を増して得意の接近戦に持ち込み、強烈なボディーを打ち込む。
ここまではビロリア結構善戦するんじゃないかと思っていた。
しかし、続く3回からさらに圧力を強める王者に防戦になるシーンが増える。
要所でカウンターを当てるのだが、ロマゴンはこれを意に介さず淡々と攻撃し続ける。
そして、ビロリアのパンチに右のショートパンチを合わせてダウンを奪う。
4回以降はいつまでビロリアが耐えきれるかの問題で、勝敗への興味は無くなった。

そして9回、防戦になったビロリアをレフェリーが救出。

うーん強すぎる。
ビロリアすら相手にならんのか。
体格で勝るビロリアなら善戦するかと思っていたけど、少しのトラブルもなかった。
階級を上げてもパンチの迫力は変わらないし、フライ級でも全く問題は無さそうだ。

ゴロフキンはジャブを多用し、アウトサイドで戦ったが、逆にロマゴンはビロリアのインサイドを制圧した。

ロマゴンは接近戦が上手いなー。ポジショニングはいいし、連打はスムーズだし、スタミナは切れないし、接近戦に持ち込まれたらどうしようもない。

井上でも圧力に屈して打ち合いに巻き込まれるのかな。
HBOと契約してるから当分先の対決になりそうだが…

一体誰がこの怪物を止められるのか。ロマゴン対ビロリア