今週の試合まとめて

ショーン・ポーター vs アンドレ・ベルト

ポーターはメイウェザーを意識して戦うと言っていたが、いつものポーターだった。
圧倒的なフィジカルでベルトにボクシングをさせず、揉み合い力づくでロープまで押し込む。
インターバル中のコーナーでベルトは「どうしていいか分からない」と弱音を吐く。それほどフィジカルに差があった。

オスカー・バルデス vs ミゲール・マリアガ
マリアガはしっかり試合のための訓練をつんだ様子が伺え、脇を締めたパンチと固いガードでフッカー、バルデス対策。
バルデスはいつも通り自分のボクシングを押し付ける。
バルデスの攻撃は無酸素運動で断続的になりがちで次の攻撃の合間に休憩をはさむ、対するマリアガの攻撃は有酸素運動でマラソンの様に常にプレッシャーをかけられる。
一瞬の火力ではバルガスが大きく上回るがラウンドを通してみるとマリアガの攻勢が上回る。
3ラウンドくらいから分が悪いと感じたのかバルガスは足を使ったアウトボクシングに切り替え、要所要所でクリーンヒットを奪う方法に切り替える。
この辺はさすがだ。
マリアガは攻勢をかけるがパンチが当たらず、逆にクリーンヒットを奪われる。
手数のマリアガ、ヒットの印象ではバルガスといった所。
10ラウンドにはバルガスがダウンを奪う。
判定の結果を聞いて驚いたが、バルデスの勝ちでもいいがそんなに点差が開くような内容には見えなかった。

今週の試合まとめて

元スター候補生対決 ベルト VS オルティス2

どちらも同じ時期にスターになることを期待された選手だったが、今や負けの数も増えどちらも一線から退いている。

才能に溢れ、闘争心も持ち合わせているしけど、屈強そうな見た目に反してどちらも打たれ弱さが致命的な弱点だったと思う。
強豪相手の大事な場面でどうしてもその弱点が露呈し、それが決定的な差を生み出す。
ボクシングおいてやっぱり打たれ強いってのは大事なんだな。

今期待されている選手たちも今後どうなるのか分からないなあ。

オルティスは初回から足を使った動き、リードパンチやダウンを奪ったパンチなんかはかなりよかったのに…
ダウンを奪った後少し慎重さを欠いて(作戦かもしれないけど)、危険なタイミングで踏み込む回数が多くなっていた。ベルトもタイミングをつかんだのか何度もカウンターを狙っていて、最期にはアッパーカットで勝負あり。

このままズルズル引退かなあ…もう少し意地を見せてもう一花咲かせてほしいなあ。

元スター候補生対決 ベルト VS オルティス2

フロイド・メイウェザー vs アンドレ・ベルト

パッキャオとの世紀の一戦の後、メイウェザーの引退を飾るラストマッチ。

信じる人はいないと思うが、メイウェザーは50戦目について否定している、商売だから次をやるとは絶対に言えない。
チケットとppvの売り上げに影響するからね
50戦目、偉大な記録を打ち立てたくなったとか言ってやるんだろう。

こんだけ稼いだんだから、次の世代にバトンタッチして、ボクシングへの恩返しをしてもいいだろう。
ケル・ブルックかサーマン辺りに倒してほしいが、メイウェザーはまだまだ強い。 

今回、宝くじを引き当てたベルトは信じられない幸運を持っている。
試合が決まったときファンやメディアは彼をポンコツ呼ばわり、遂には会見でメイウェザーまで彼を擁護する始末だ。
この悔しさを力に変えて、気合いの入ったボクシングをするだろうと思っていた。

しかし試合が終わってみればいつも通りの内容。ミスを犯さない。
それがメイウェザーの凄いところだ。
終始コントロールして特に山場もなく終了。
KOも期待したが、判定勝利。

ベルトは崖っぷちの彼を救ってくれた、恩人メイウェザーへ感謝の気持ちが足りなかった。

ベルトがもっと謝意を全面に押し出して、猛烈な勢いで、攻め立てればメイウェザーの歯車を狂わせられた可能性が0.1%くらいはあったかも知れないのに。
メイウェザーのカウンターを警戒し、攻撃力を発揮できなかったな。

この試合の勝敗に興味はないので、次に誰が戦うかを予想。
一番可能性が高いのは、コットとアルバレスの勝者だと思う。
コットはもう引退だし、ここでゴロフキンとレミューの勝者を選ぶのは報酬の割に危険すぎる。

アルバレスもわざわざ危険な相手を選ぶ理由がない。
ゴロフキンとレミューの勝者の前にメイウェザーを選ぶだろう。
ビジネスとしても一番稼げる、ファンもまぁまぁ納得できる、この二人が最も可能性が高い。

色々批判されるメイウェザーのスタイルについて。
メイウェザーのスタイルは守備の比重が極端に高く、オフェンスよりはディフェンス、後ろに踏み込む回数の方が多い。
KOを狙わない、相手が弱っていても、倒しに行かない。
相手のパンチを簡単に捌き、相手に何もさせない彼を観ることが好きなファンも多いし、僕自身も「すげぇ!」と思うこともある。
しかし、批判的な声はもっと多い。
ボクシング人気の低迷の原因(実際はボクシング業界全体だが…)とさえ言われる始末。

メイウェザーはデビューしたときからそんなスタイルでは無かった。
フェザー級からぎりぎりスーパーライト級位までは、ディフェンスマスターよりはスピードスターで、素早い踏み込みから、目にも止まらぬフック、ストレート、コンビネーションを自在に繰り出し、なかなか面白かった。本当に速かったし、ディエゴ・コラレスやヌドゥ、ガッティ戦の素晴らしいパフォーマンスは一見の価値がある。

評価と知名度を上げながら、ビッグマッチを求めウェルター級までくると、大きな相手に攻撃がなかなか効かなくなってしまった。
残念ながら彼は相手を倒す方法を模索しなかった。
元々素晴らしい技術を持っていた彼は、相手に倒されない、負けないボクシングを展開していくようになり、タッチボクシングの権化となった。

なんだかんだ言われても、まだまだ商品価値は高く、引退はできないだろう。
50戦目に誰と戦うのか、そして彼を倒すボクサーの出現が楽しみだ。

フロイド・メイウェザー vs アンドレ・ベルト

フロイド・メイウェザー vs アンドレ・ベルト

メイウェザーは次の試合を本当に最後にするつもりなのか?
何故今更ベルトなのか。

しかしベルトにとっては千載一遇、再浮上のきっかけにしたい。
確率は低いがメイウェザーに勝利、最低でも苦戦させれば今後のボクシング人生が変わる可能性がある。
気合いの入ったボクシングを期待する。

メイウェザーは次も考えているはずなので、対戦相手の候補を考えてみる。
アミール・カーン
本人は対戦を希望しているみたいで、凄くアピールしている。メイウェザーに対抗できるスピードもあるし、攻撃的で少し期待できるけど顎が弱い。
終盤に倒されそう。

マニー・パッキャオ
再戦。
今度やるなら、前以上にパッキャオの攻撃が封じ込まれそう。パッキャオに快進撃していた頃の爆発力も感じず、儲かるかもしれないけど観たくはない。

ゲナンディ・ゴロフキン
もし実現したら、勝っても負けてもメイウェザーを評価できる。
引退試合にはなかなか相応しいが、危険すぎて実現は難しい気がする。
もしもゴロフキンを完封したら、誰も彼のキャリアにケチをつけられないんじゃないか?
伝説の選手として後々にも語り継がれること間違いない。
彼に影響を受けるボクサーが増えてボクシングそのものが変わる。
ただし体格差もあって、まともにゴロフキンのパンチを食えば、メイウェザーの健康状態が心配される。

ダニー・ガルシア
全勝対決で話題性はある。
ガルシアは攻撃的ででパンチもあるし、スピードもまあまあ、強豪と戦い苦戦慣れしている。
ただ、ガルシアより大きくて似たようなスタイルのアルバレスを完封したことを考えると、メイウェザーが無難に捌ききるイメージしか浮かばない。

キース・サーマン
こちらも全勝。
パワーはKO率が示すように恐らく階級でもトップクラス。
攻撃的で追い足も速く、強烈なカウンターも持っている。
次世代のスター候補であることに間違いはないが、残念ながらネームバリューに乏しく、
危険な割にメイウェザーにとって旨味が無い。
現状は強豪と戦い、ファンに実力を証明している段階だ。

きりが無いのでこの辺で終わりにするが、個人的にはおじさん同士が闘って引退後の蓄えにするより
若いボクサーにメイウェザーを倒して世代交代してもらいたい。
デラホーヤがチャベスを倒し、そしてパッキャオがデラホーヤを破って快進撃が始まったように。

フロイド・メイウェザー vs アンドレ・ベルト