パッキャオとの世紀の一戦の後、メイウェザーの引退を飾るラストマッチ。
信じる人はいないと思うが、メイウェザーは50戦目について否定している、商売だから次をやるとは絶対に言えない。
チケットとppvの売り上げに影響するからね
50戦目、偉大な記録を打ち立てたくなったとか言ってやるんだろう。
こんだけ稼いだんだから、次の世代にバトンタッチして、ボクシングへの恩返しをしてもいいだろう。
ケル・ブルックかサーマン辺りに倒してほしいが、メイウェザーはまだまだ強い。
今回、宝くじを引き当てたベルトは信じられない幸運を持っている。
試合が決まったときファンやメディアは彼をポンコツ呼ばわり、遂には会見でメイウェザーまで彼を擁護する始末だ。
この悔しさを力に変えて、気合いの入ったボクシングをするだろうと思っていた。
しかし試合が終わってみればいつも通りの内容。ミスを犯さない。
それがメイウェザーの凄いところだ。
終始コントロールして特に山場もなく終了。
KOも期待したが、判定勝利。
ベルトは崖っぷちの彼を救ってくれた、恩人メイウェザーへ感謝の気持ちが足りなかった。
ベルトがもっと謝意を全面に押し出して、猛烈な勢いで、攻め立てればメイウェザーの歯車を狂わせられた可能性が0.1%くらいはあったかも知れないのに。
メイウェザーのカウンターを警戒し、攻撃力を発揮できなかったな。
この試合の勝敗に興味はないので、次に誰が戦うかを予想。
一番可能性が高いのは、コットとアルバレスの勝者だと思う。
コットはもう引退だし、ここでゴロフキンとレミューの勝者を選ぶのは報酬の割に危険すぎる。
アルバレスもわざわざ危険な相手を選ぶ理由がない。
ゴロフキンとレミューの勝者の前にメイウェザーを選ぶだろう。
ビジネスとしても一番稼げる、ファンもまぁまぁ納得できる、この二人が最も可能性が高い。
色々批判されるメイウェザーのスタイルについて。
メイウェザーのスタイルは守備の比重が極端に高く、オフェンスよりはディフェンス、後ろに踏み込む回数の方が多い。
KOを狙わない、相手が弱っていても、倒しに行かない。
相手のパンチを簡単に捌き、相手に何もさせない彼を観ることが好きなファンも多いし、僕自身も「すげぇ!」と思うこともある。
しかし、批判的な声はもっと多い。
ボクシング人気の低迷の原因(実際はボクシング業界全体だが…)とさえ言われる始末。
メイウェザーはデビューしたときからそんなスタイルでは無かった。
フェザー級からぎりぎりスーパーライト級位までは、ディフェンスマスターよりはスピードスターで、素早い踏み込みから、目にも止まらぬフック、ストレート、コンビネーションを自在に繰り出し、なかなか面白かった。本当に速かったし、ディエゴ・コラレスやヌドゥ、ガッティ戦の素晴らしいパフォーマンスは一見の価値がある。
評価と知名度を上げながら、ビッグマッチを求めウェルター級までくると、大きな相手に攻撃がなかなか効かなくなってしまった。
残念ながら彼は相手を倒す方法を模索しなかった。
元々素晴らしい技術を持っていた彼は、相手に倒されない、負けないボクシングを展開していくようになり、タッチボクシングの権化となった。
なんだかんだ言われても、まだまだ商品価値は高く、引退はできないだろう。
50戦目に誰と戦うのか、そして彼を倒すボクサーの出現が楽しみだ。